毎月、輪島市の旬な食材を使用した一品を紹介します。
アカモクの雑炊
「アカモク」を細かくして湯通しすることで変化した鮮やかな緑色と、磯の香りを消さないようにシンプルな雑炊にすることで、味覚だけでなく視覚と嗅覚も楽しめる一品です。
アカモク
【旬】1~5月
能登の海藻は、四季折々に多様で、約200種類が分布しており、このうち30種類ほどが食用として利用されています。
アカモクは、ホンダワラ類の1種で、茎の長さが10m程になります。
波静かな水深数mの岩場に生え、浮力のある気胞を形成し、海中で水面に向けて立ちあがります。
海面付近まで達すると横にたなびき伸びます。
2~3月頃に成熟すると実(生殖器床といいます)を付け、この実に強い粘り気があります。
成熟したアカモクをさっと湯通しすると茶色から鮮やかな緑色に変化します。
緑色に変わったアカモクを包丁で細かく刻んで酢醤油をかけてとろろのようにして食べると格別です。
能登の里山の女性たちは、自ら採取した海藻を塩漬けや天日干し等にして保存性を高め、里山集落へと背負子で担いで行商に向かったそうです。
このように、能登の海藻は、里山と里海をつなぐ貴重な「交易品」の一つだったそうです。近年は、多様のヨードやカルシウムを含んだアルカリ性健康食品として注目を集めています。
【取材協力】まだら館
今回紹介した「アカモクの雑炊」は「まだら館」様の通常メニューでは取り扱いされていませんが、会席料理の一品として提供されることがあるそうです。
食材の入手状況にもよりますが、会席の一品としてリクエストがあれば提供できるそうです。
所変われば品変わる…輪島には輪島のおもしろい味があります。
能登近海で揚がった新鮮な魚介類と土地の野菜でこしらえた郷土料理を、輪島塗の器で召し上がってください。
もちろん美味しい地酒も用意しております。