輪島たいむす

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輪島市が始めた「公営塾」に市内の民間塾から不満の声

「石川テレビ」HPより

www.ishikawa-tv.com

石川県の輪島市が5月から始めた公営の塾。
この塾が「従来の学習塾の経営を圧迫する」と今、民間業者から不満が出ています。
地域のために始めたはずの公営塾がなぜ?
事情を取材しました。

放課後の輪島高校で勉強する生徒たち。
輪島市が今月から始めた高校生向けの公営塾です。
国が人件費など費用の大半を負担するため1、2年生は月額3000円、3年生は5000円で利用できます。

生徒:
「家で勉強があまりはかどらなくて、学校だったら出来るかなと思ってきました。すごい集中できます」

市が塾を始めた理由は「地元の高校を存続させるため」
市内には輪島高校と門前高校の2校の公立高校がありますが今年度の入学者はいずれも定員割れ。
原因は、子どもの数が減ったことに加えて、約1割が市外の高校を選択したことだと言われています。

そこで公営塾を作り、学習環境を整えることで高校の入学者数を増やそうというのです。
しかし、この公営塾に対し今、ある問題を指摘する声があがっています。

輪島市内で学習塾を運営する熊野謙さん:
「我々民間塾という市場があったにもかかわらず、そことの交渉とか調整を図ることなく、行政が自分たちが良かれと思う施策をどんどん進めていった。それはちょっとおかしいでしょという所があります」

こう話すのは、市内で学習塾を経営する熊野謙さん。
受験対策に特化する熊野さんの塾は月額3万円。
授業料が安い公営塾が出来たことにより経営が圧迫されることを危惧しています。

16日、熊野さんを含む学習塾経営者など5人が市役所を訪れ、公営塾自体に反対するわけではないとした上で、役割の明確化や新しい価格設定の追加を求めました。

熊野謙さん:
「価格設定であったりサービスの仕方を民間の産業に携わっている人を置いてきぼりすることなく一緒に考えていきましょうという姿勢を見せて頂ければ嬉しいです」

これに対し、輪島市は「公営塾は受験対策だけが目的ではなく気軽に立ち寄れる居場所を目指している」としています。

輪島市木下充企画振興部長:
「教え方、どのレベルまでということがありますので、そういった中で差別化、区別がされるものだと思いますし、そういった中でバッティング、競合と見るかはこれから話をしていかなければならないところだと思っています」

市側と民間塾側は公営塾の内容や価格設定のあり方などについて、引き続き話し合いを続けていくということです。