「北國新聞」HPより
石川県輪島市の観光名所「輪島朝市」の露店で、海産物店「南谷良枝商店」が大型連休から3世代4人での営業を始めた。
出店者の高齢化が進む中、後継ぎである南谷美有(みゆ)さん(20)が新戦力に加わった。
朝市関係者によると、3世代同時に店の運営に携わるのは珍しい。
それぞれ「買(こ)うてくだ」「いかがですか」の声を、朝市に響かせている。店頭に並ぶのは、美有さんと母の良枝さん(46)、良枝さんの母、鶴竹友子さん(69)と義母の南谷博子さん(82)。
良枝さんは行商に励んでいた祖母の小磯すみさんの姿に憧れ、1993(平成5)年、高校2年生だった17歳の春に商店を創業した。
美有さんは「自分たちの作った商品で人を喜ばすことができる」と、母の仕事にやりがいを感じ後継ぎを決めた。
2020年、門前高を卒業後、接客やネットショップのノウハウを学びに大阪の飲食店で2年間の修業を積んだ。美有さんは幼い頃からよく朝市に遊びに来ては、通りの「おばちゃん」にお小遣いをもらうなど、周囲にかわいがられていた。
4月29日の朝市デビューでは「昔から見ていた光景なのであまり戸惑わない」と話し、手際よく仕事をこなした。冨水長毅(とみずながたけ)組合長によると、朝市組合員の平均年齢は65歳以上で、組合員の高齢化に歯止めが利かない状態。
それだけに「朝市の看板娘」として美有さんが活躍することで、朝市に続いて新たな担い手が現れることに期待が膨らむ。美有さんは「母ちゃんの教えである『人と人とのつながり』を大切にしていきたい。お客さんをたくさん呼び込んで、コロナで打撃を受ける朝市の元気を取り戻したい」と話した。
「輪島朝市 南谷良枝商店」さんInstagramより
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