「中日新聞」HPより
輪島市三井町中の輪島塗職人上野芳和さん(50)が、アナログレコードプレーヤーに装着する輪島塗の筐体(きょうたい)を製作し、発売した。
筐体とは、レコードを乗せるターンテーブルや針の圧力を保ち音をたどるトーンアームといった部品をまとめる土台部分。
アテ材に輪島塗の加工を施すことで、音質を向上できたという。筐体は愛好家の間で人気が根強いケンウッド製のプレーヤー「KP−1100」か「KP−9010」に装着できる。
輪島塗にすることで、機材の振動が早く収まり、再生時に雑音が減って音質が良くなる。受注生産で一台税込み十二万〜十五万円。
中学時代からオーディオ好きという上野さん。
布でアテ材を補強する「布着せ」や、「地の粉」(珪藻土(けいそうど))を混ぜた漆を使った下地塗りといった輪島塗の工程が音響に良い効果を与えると発見し、二〇〇二年にはスピーカーも開発している。
「最初は直感だったが、実際に音響メーカーの協力でテストすると想像以上に効果があった」と振り返る。近年、アナログレコードの人気が再燃したのに目を付け、スピーカーなどで得たノウハウを生かそうと考えた。
「レコード全盛の一九七〇年代、アームやモーターなど特定の部品だけ作るメーカーもあったので、こういうのもありと思う。現代で必要とされるものを輪島塗でつくりたい」と話した。
輪島塗スピーカー / 輪島塗音響用筐体
プレーヤー
ケンウッドKP-1100(KP-9010)用換装キャビネット
黒呂色仕上 価格12万円(税込価格)
カナレ電気製RCA出力端子
NEUTRIK ( ノイトリック ) 製電源入力端子
(画像ではキャビネット側にNEUTRIK / NC3FD-LX-Bが、外部電源トランスケース側にNEUTRIK / NC3MD-LX-Bが取り付けられてますが、受注生産型ではキャビネット側にNEUTRIK / NC3MD-LX-Bが取り付けられます)
アクリル屋ドットコム製のダストカバー装着ご希望のお客様にはそれに合わせた取付用の下穴加工を施します。
プレーヤー本体、外部電源トランス用アルミケース、ダストカバーは付属しません。
ケンウッドKP-1100(KP-9010)用換装キャビネット
溜塗呂色仕上 価格15万円(税込価格)
カナレ電気製RCA出力端子
NEUTRIK ( ノイトリック ) 製電源入力端子
(画像ではキャビネット側にNEUTRIK / NC3FD-LX-Bが、外部電源トランスケース側にNEUTRIK / NC3MD-LX-Bが取り付けられてますが、受注生産型ではキャビネット側にNEUTRIK / NC3MD-LX-Bが取り付けられます)
アクリル屋ドットコム製のダストカバー装着ご希望のお客様にはそれに合わせた取付用の下穴加工を施します。
プレーヤー本体、外部電源トランス用アルミケース、ダストカバーは付属しません。
底板
漆の塗膜を含め8㎜厚(ノーマル比2倍)
整流回路、モーター駆動用パワートランジスタ付近に放熱孔を開けてPC用放熱ファンフィルターを装着。
元々整流回路の電解コンデンサーは高さ20㎜のものが使われていますが、放熱孔加工の工夫により、高さ25㎜程度の電解コンデンサーと交換が可能になりました。
アテ材による内部補強
外部電源トランス化により空いたスペースにも補強材が入ります。
これまでスピーカーキャビネットに関しては、一貫して無垢材の一枚板を使用してきましたが、アナログプレーヤーキャビネットに関しては、大面積の板材が必要な場合は、経年変化による板材の変形や収縮等を考慮して、天板と底板には合板を使用します。
制作期間
キャビネットの精度確保と耐経年変化のため、ご注文から8ヶ月~12ヶ月程度製作期間をいただいております。単売フォノモーター、トーンアーム用オーダーメイドキャビネットも承っております。