「中日新聞」HPより
輪島市は本年度内に、県立門前高校(同市門前町)の生徒寮を新設する。
星稜高(金沢市)野球部元監督の山下智茂さん(77)が今春から野球指導アドバイザーに就任し、来年度も入学希望者が増えることが見込まれるため、整備を決めた。
三十日、市議会九月定例会提出議案の記者発表で明らかにした。星稜高を甲子園常連校に育てた山下さんは門前高出身で、アドバイザーとして週五日、野球部員を指導する。
山下さんの下で野球をしたいと、本年度は市外から六人が入学。
同校に近い市営さくら住宅の一部を改装した寮で生活する。市によると七月二十九日に開かれた同校体験入学には五十人が参加し、うち市外からの参加は二十人以上。
寮を利用したいという声もあったが、さくら住宅の寮は定員九人で空きが少なく、早急な整備が必要と判断した。計画では同校から約一・五キロ離れた市有地(門前町道下(とうげ))に三十数人が入寮できる建物を新設する。
複数の民間設計者から提案を受け、最適な計画を選ぶプロポーザル方式で事業者を決める。資金調達や設計建設を民間事業者が行い、市が賃借する「リース方式」を取る。市は市議会九月定例会に提出の一般会計補正予算案に土地整備費五百五十一万円を計上。二〇二三〜二七年度に限度額三億五千万円で、毎年関係予算を組む債務負担行為を設定した。
リース料に使い、二八年度からは寮の所有権が市に移る。山下さんは地域おこし協力隊としての任用で、任期は最長二五年二月末まで。
その後の去就は未定だが、市は本人の意向を尊重しつつ、何らかの形で同校に関わってもらいたい考え。市の担当者は「寮は十年、十五年と先を見据えての整備」と強調。
山下さんの教えを若い指導者が継承することにも期待し、野球を長期的な学校存続につなげたいとしている。門前高は二一年度の入学生が十一人(定員八十人)で過去最少となり、生徒の確保が課題に。
山下さんが野球指導アドバイザーに就いた本年度は二十八人が入学し、うち十五人が野球部に入部している。
石川県立門前高等学校
【教育目標】
①ふるさとに誇りを持ち、自ら学習を調整することで身につけた資質・能力を活用することにより、地域の活性化に貢献できる人間
②高い規範意識と活力に溢れ、自分の良さや可能性を認識するとともに、多様な人々と協働できる人間