輪島たいむす

石川県輪島市の情報をゆる~く紹介していきます

【2022年】重蔵神社に伝わる県指定無形民俗文化財「如月祭」が始まりました

「中日新聞」HPより

www.chunichi.co.jp

f:id:wajimatime:20220302181547p:plain

輪島市河井町の重蔵神社に伝わる県指定無形民俗文化財「如月(きさらぎ)祭」が一日、同町の「旧やぶ朝市店」で始まった。

神社からご神体を迎える清祓式(きよはらいしき)が営まれ、一九七四、七五年生まれの男性でつくる「二七寅卯会(にしちとらうかい)」の十六人が出席した。

祭りは氏子の繁栄や豊穣(ほうじょう)を願って一日から七日間開かれる。
当元(とうもと)または当屋(とうや)と呼ばれる当番宅に神様を迎え、会員が交代で最終日まで奉仕する。
式では神職からおはらいを受け、玉串を奉納した。

同会の日吉智(あきら)会長(47)は「先輩方がつないできた神事で、一生に一度のこと。コロナ禍での制限もあるが、できることをしっかりやっていきたい」と話した。

七日未明に神社の神前に米や餅を供える献備式(けんびしき)があり、会員らが準備を進める。

如月祭

f:id:wajimatime:20220302182116p:plain

www.pref.ishikawa.lg.jp

県指定無形民俗文化財  昭和63年4月8日指定

重蔵神社は輪島市街東部にあり、河井町2,400戸の氏神で、由緒ある大社として知られる。
如月祭はお当祭ともよばれるように、数え年48・49歳の氏子数十人が当組をつくり、3月1日から7日間にわたって古式による行事を営むところに特徴がある。
当組は42歳のとき曳山の世話方として一応の組織を見、如月祭に前年に正式に結成され、当受けをして準備に入る。
当年になると、当屋(当元)を中心にして諸行事が進められるのである。
如月祭の起源は古くてあきらかではないが、記録の上では文明8年(1476)の旧記に見えるのが古い。
もとは神人当と町当との二つに分かれ、一世一代の盛儀として重んじられたが、時代の推移とともに、両当が合併して伝統を存続しているのである。
祭祀の性格は、当組がお当神様を奉斎し、おびただしい神饌を献供して年穀の豊饒と地域の安泰とを願った記念祭に相当すると思われる。
およそ当屋組織による祭祀は、農山村に伝えられるのが普通である。
しかるに奥能登の中心である輪島の町方において、このように大規模な年齢集団による当屋祭を厳重に維持し、神社祭祀の古態を伝えているのは民俗学上極めて貴重である。
加えて元禄11年(1698)からの関係文書が多数重蔵神社に伝来し、行事の詳細が知られるので学術的価値も高いといわねばならない。